続き

整骨院の近くにうんていがある。

患者さんの情報を頼りに、早速その公園に行ってみた。

整骨院から自転車で2分とかからない場所にあり、診察の合間に行きやすく、また大通りから一本外れている通りにあるので人目にもつかない。

別に見られたくないとかではないが、平日の昼間にそこそこの大人が公園でうんていをやっていたらどう思われるか。僕も一般常識は持ち合わせているつもりなのでなんとなく想像はつく。

公園に着いて早速うんていを使おうと張り切っていたら、ちょうどうんていの近くで砂場遊びをしているお子さんを見守るママらしき二人組が話し込んでいた。

お子さんを見守りながらママ友との情報交換。

旦那の愚痴や日頃の悩みなどをお互いに共有し合う大切な時間なのだろう。

ここで存分に発散して、また日常生活という激務に戻る。本当に世の中の主婦の方々には頭が上がらない。

もし、そんな空間にいい歳こいた男がいきなりうんていではしゃぎ出したらどう思うだろう。

『いやー難しいなー』

『これちょっと小さいなー』

一人でそんなこと言いながらニヤニヤしていたらどう思うだろう。

僕だったらまずは子どもの安全を考えるはずだ。

このご時世誰が何をしでかすかわからない。

もちろん僕自身はそんなつもり微塵もない。

純粋にうんていを楽しみたいだけだ。

しかし、ここで僕がそのママさん達に

『いや違うんです、僕はうんていがしたいだけなんですよ。もう全然お子さん達遊ばせてて大丈夫ですので。何もしないですから、うんてい以外何もしないですから！』と言ったらどうなるだろうか。

人に気持ちを伝えるのは本当に難しい。

僕は諦めて近くのコンビニでプロテインバーを一つ買った。

SASUKEへの道はそう簡単ではないようだ。