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2025年6月16日

姿勢と筋膜の新常識!スパイラルラインを整える整体とは


【はじめに】筋膜のつながりに注目が集まる理由

近年、「筋膜リリース」や「筋膜のつながり」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
身体は個々の筋肉の集まりではなく、筋膜という膜状の組織によって全身がつながっているという考え方が浸透しつつあります。

その中でも特に注目されているのが「スパイラルライン」と呼ばれる筋膜の流れです。
これは身体の斜め方向に走る筋膜のライン</strongで、姿勢の安定、歩行、スポーツ動作、そして慢性的な痛みの発生とも深く関わっています。

本記事では、このスパイラルラインとは何か、そして整体におけるアプローチについて分かりやすくご紹介します。

【第1章】スパイラルラインとは何か?解剖学的な視点から

スパイラルラインとは、アナトミートレイン(Anatomy Trains)という筋膜の連続性理論の中で提唱されている、筋膜が連続して斜めに身体を巻くようにつながるラインのことです。

このラインは身体の表層と深層を貫きながら、右肩から左の骨盤、左肩から右の骨盤へと交差するように走行しています。

代表的な筋の構成:

  • 前鋸筋(ぜんきょきん)
  • 外腹斜筋・内腹斜筋
  • 広背筋(こうはいきん)
  • 大腿筋膜張筋・腓骨筋群
  • 脊柱起立筋の一部

このラインは、身体をねじる動作や片足立ち、バランス保持などの複雑な動きに大きく関わっています。
逆に言えば、スパイラルラインのどこかに制限や癒着があると、姿勢の崩れや身体のゆがみ、痛みが生じやすくなるのです。

参考:Anatomy Trains by Thomas Myers

【第2章】スパイラルラインと姿勢・歩行の深い関係

スパイラルラインは、身体を斜めに交差するように走行するため、左右のバランスを取る働きに大きく関与しています。
このラインがしっかり機能していると、歩行時や片足立ち時の軸の安定感、重心移動のスムーズさが保たれます。

姿勢や歩行における役割:

  • 骨盤と肩甲骨の連動:
     例えば、歩行時に右脚が前に出ると、左腕が前に出ます。この動きはスパイラルラインによって支えられています。
  • 回旋運動の安定化:
     ゴルフスイングやテニスなど、身体をねじる動作において重要な働きをします。
  • 横揺れ・ブレの抑制:
     片脚での立位保持時に、骨盤の傾きや胴体のねじれを抑える役割を果たします。

スパイラルラインが弱化または過緊張していると、歩き方がぎこちない、肩や腰が不自然に動く、転びやすいといった問題が発生します。
つまり、姿勢や動作の「美しさ」「安定感」を保つには、このラインの柔軟性と統合性が不可欠なのです。

また、現代人の多くはデスクワークやスマートフォン操作によって、身体が一方向にねじれる癖がついており、スパイラルラインがアンバランスになりやすい環境にあります。

【第3章】スパイラルラインが原因となる不調とは

スパイラルラインは、全身を斜めに交差しながら支えているため、そのバランスが崩れることで局所的ではない広範囲の不調が起こることがあります。
「どこか1ヶ所だけが原因ではない不調」の背後には、このラインの機能不全が隠れていることも多いのです。

よく見られる不調例:

  • 肩こり・首の張り:
     肩甲骨の可動性が低下し、斜めに連動する筋群の緊張が強くなると、肩や首に負担が集中します。
  • 腰の違和感・仙腸関節痛:
     骨盤が左右非対称に引っ張られると、仙腸関節に微細なズレが生じやすくなります。
  • 足首の不安定感・外反母趾:
     足部から上行性に力が伝わるラインが乱れると、立位バランスが崩れ、足の構造にも影響を及ぼします。
  • 猫背や反り腰:
     体幹のねじれや筋膜の短縮によって、自然なS字カーブが崩れてしまうケースです。

このように、スパイラルラインの乱れは、直接的な筋力不足や関節障害で説明しきれない症状の原因となることがあります。
そのため、表面的な症状だけでなく、筋膜の連続性という視点から全身を評価・施術することが、根本的な改善に繋がるのです。

【第4章】整体や運動でスパイラルラインを整える方法

スパイラルラインのバランスが崩れている場合、整体によるアプローチと日常的な運動・ストレッチの両面から整えることが効果的です。
特に、筋膜の癒着やねじれを解放する施術は、根本的な改善につながります。

整体によるアプローチ:

  • 筋膜リリース:
     表層と深層の筋膜に対して、癒着を解放する手技療法を行い、可動域と神経伝達を改善します。
  • 骨盤・肩甲骨の調整:
     スパイラルラインの中核である骨盤と肩甲骨の位置関係を整えることで、姿勢の軸を安定させます。
  • 自律神経の調整:
     交感神経の過活動によって硬くなった筋膜を、深層部から緩め、全身のリズムを整えます。

セルフケアのポイント:

  • ねじりのストレッチ:
     椅子に座った状態で体幹を左右にねじるストレッチは、スパイラルラインの柔軟性を保つうえで有効です。
  • ラテラルランジ:
     横方向に動くトレーニングで、斜めの筋膜ラインを刺激し、連動性を高めます。
  • 意識的な左右対称の歩行:
     日常生活で軸のブレを減らすことが、ラインの安定化につながります。

整体とセルフケアを並行して取り入れることで、スパイラルラインは柔軟性・安定性・連動性を取り戻し、姿勢改善やパフォーマンス向上にもつながっていきます。

【まとめ】スパイラルラインを知ることが身体の再生の第一歩

「なんとなく調子が悪い」「姿勢が安定しない」「原因不明の違和感がある」
そんなお悩みの背景には、スパイラルラインの乱れが関係しているかもしれません。

筋膜の連続性に着目した整体やセルフケアを取り入れることで、身体は本来の動きやすさと安定感を取り戻すことができます。
特にスパイラルラインは、日常動作・姿勢維持・スポーツパフォーマンスなど、あらゆる場面に関係する重要な要素です。

一時的な対処ではなく、根本から整えるケアを始めたい方は、ぜひ当院までご相談ください。
「身体を知ること」こそが、真の回復への第一歩です。


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